浦和地方裁判所 昭和57年(わ)250号 判決 1982年7月01日
裁判所書記官
蓜島篤
国籍
韓国
住居
埼玉県新座市東北二丁目三九番一二号
遊技場等経営
金沢鍾斗こと
金鍾斗
一九二六年六月二日生
所得税法違反被告事件
出席検察官
大栗敬隆
主文
被告人を懲役一年六月及び罰金四、八〇〇万円に処する。
右罰金を完納することができないときは金二五万円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。
この裁判確定の日から三年間右懲役刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人は、埼玉県新座市東北二丁目三九番一二号において、パチンコ店「志木会館」、喫茶店「ショート」及び麻雀荘「ドラゴン」を経営しているものであるが、自己の所得税を免れようと企て、売上収入の一部を除外して無記名、仮名の定期預金等を設定するなどの方法により所得を秘匿した上
第一 昭和五三年中における総所得金額が一億四四五万四、二〇一円で、これに対する所得税額は、六、二七五万三、九〇〇円であるのにかかわらず、同五四年三月九日、埼玉県浦和市常盤四丁目一一番一九号浦和税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が九万一、九九九円で、これに対する所得税額はない旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の所得税額六、二七五万三、九〇〇円を免れ
第二 昭和五四年中における総所得金額が一億二、三五八万三、三六〇円で、これに対する所得税額は七、七三六万五、九〇〇円であるにもかかわらず、同五五年三月一三日、前記浦和税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一、二九九万二、〇〇〇円で、これに対する所得税額が三三八万七、八〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の正規の所得税額と右申告税額との差額七、三九七万八、一〇〇円を免れ
第三 昭和五五年中における総所得金額が一億三、六六九万六、三四六円で、これに対する所得税額は八、六七九万一、〇〇〇円であるにもかかわらず、同五六年三月一一日、前記浦和税務署において、同税務署長に対し、総所得金額が一、二九九万二、〇〇〇円で、これに対する所得税額が三三九万三、三〇〇円である旨虚偽の所得税確定申告書を提出し、もって不正の行為により同年分の正規の所得税額と右申告税額との差額八、三三九万七、七〇〇円を免れ
たものである。
(証拠の標目)
一 被告人の
(1) 当公判廷での供述
(2) 検察官に対する各供述調書
(3) 大蔵事務官に対する各質問てん末書
(4) 各答申書
一 大蔵事務官の告発書
一 大蔵事務官の現金調査書、預金調査書、貴金属調査書、土地調査書、出資証券および配当所得調査書、電話加入権調査書、仮払金未払源泉税調査書、未収金調査書、供託金調査書、保証金(預り分)調査書、貸付金調査書、減価償却資産調査書、たな卸資産調査書、事業主貸調査書、未払金調査書、借入金および支払利息調査書、保証金(預け分)調査書、喫茶「ショート」勘定調査書、事業主借調査書、事業専従者控除調査書、雑収入調査書、租税公課調査書、不動産所得調査書、雑所得調査書、利子所得調査書、源泉税額調査書
一 浦和税務署長の証明書(一)
(法令の適用)
判示第一ないし第三の各所為 各昭和五六年法律第五四号付則第五条により、同法による改正前の所得税法二三八条(各懲役及び罰金併科)
併合罪の処理
(1) 懲役刑 刑法四五条前段、四七条本文、一〇条(犯情の最も重い判示第三の罪の刑に法定の加重)
(2) 罪金刑 同法四五条前段、四八条二項
換刑処分 同法一八条
懲役刑の執行猶予 同法二五条一項
(裁判官 大関隆夫)
別紙(一) 修正貸借対照表
所得税法違反 金鐘斗 昭和53年12月31日
<省略>
別紙(二)
<省略>
別紙(三) 修正貸借対照表
所得税法違反 金鐘斗 昭和54年12月31日
<省略>
別紙(四)
<省略>
別紙(五) 修正貸借対照表
所得税法違反 金鐘斗 昭和55年12月31日
<省略>
別紙(六)
<省略>